ジム開業

パーソナルジム開業・経営費用はどれくらい必要か?失敗しないための最低限必要な知識

これからパーソナルジムを開業・経営をされる方にとって、最も大切なことは資金計画です。

開業資金にいくらかかって、経営資金にいくらかかるのか?

経営失敗をしているパーソナルジムオーナーさんのほとんどが、この資金計画をよく理解しておらず失敗しています。

トレーナーの知識だけでは必ず失敗するのでご注意ください。

 

お金があれば開業は誰でもできますが、経営をし続けることが大切です。

そのための資金計画は必ずしていきましょう。

 

そして、資金計画の最初の一歩として、まず理解をしておくべきは「最低限いくら必要なのか?」というところです。

始めて開業をする場合は、アパートやマンションの一室からスタートをするマイクロパーソナルジムをお勧めします。

その際の目安が500万円です。

 

ですので、500万円の貯金がない場合は、まずは最低100万円以上を貯める。

さらに日本政策金融公庫の創業融資や親族からの借り入れなどを利用しましょう。

 

ここからは、なぜ500万円が必要なのか?

いくつかの必要コストについて解説をしていきます。

パーソナルジム開業・経営には2種類の費用が必要

パーソナルジムに関わらず、ビジネスは大きく2種類の費用が必要になります。

  • イニシャルコスト
  • ランニングコスト

イニシャルコストとは、事業を始める際に必要な費用になります。

物件取得費とかマシンなどの機材導入に必要な費用です。

 

そしてランニングコストとは、事業を継続するためや機材などを利用し続けるための費用になります。

 

横文字で少し難しく感じるかもしれませんが、ザックリと開業初期費用経営継続費用と考えておくと良いです。

それでは、イニシャルコストとランニングコストの内訳を解説していきます。

イニシャルコスト(初期費用)

まずは、イニシャルコスト(初期費用)です。

ジム経営を行うにあたり開業費用というものが必要となり、内訳として機材費や工事費等があります。

これらは物件状態により、異なってきます。

 

例を挙げると、以前ジムだった跡地を利用する場合、よほどの外観等に拘りを持たなければ工事費を抑えられるメリットがあります。

居抜き物件といったりします。

注意ポイント

居抜き物件の場合、なぜ前のジムが撤退したのか必ずチェックしましょう。撤退せざるを得なかった重大な問題がある可能性が高いです。

 

また、マシンを置かない自重トレーニングを主としたジムにすれば、機材費等も数万円程度へ抑えられます。

主婦向けの”カーブス”や""ヨガスタジオ"などがそうですね。

 

他にも、顧客管理や集金が可能なシステムを導入する場合や、ホームページの導入など。

ジム開業のイニシャルコスト(初期費用)は、少なくとも約300~400万円の費用が必要(内装費・集客準備費・物件費用・マシン代等であり、ジムの規模やエリアによって異なる)となります。

 

イニシャルコストの内訳を解説していきます。

物件取得費

イニシャルコストの一つであり、開業時で発生するのが物件取得費(家賃6ヶ月分~12ヶ月分+敷金+礼金+保証金)です。

上記は一般的な商業施設(テナント)を利用する場合ですので、アパートやマンションの一室を利用する場合は、敷金+礼金+家賃2ヶ月分が通常です。

 

物件費用は開業する地域(都心か地方か等)や、自宅マンションをプライベートジムにするか、はたまた賃貸でテナントスペースを借りてジム開業するか等で、大きく異なります。

 

家賃15万円のアパート・マンションジムでの経営の場合は…

敷金2ヶ月+礼金2ヶ月+家賃2ヶ月として

(15万円×2)+(15万円×2)+(15万円×2)=90万円

 

敷金・礼金などに関しては不動産屋によって異なりますが、大目に計上しておきましょう。

内装費

物件取得費と同様に、内装費もジム開業には欠かせません。

一般的な内訳は、内装工事費(壁や床のクロス貼り等、200〜400万円)、電気・空調設備工事費(8〜15万円)、給排水設備工事費(60〜80万円)、家具・建具工事費(70〜80万円)、諸経費(30〜50万円)等であり、計350〜630万円程となります。

 

ですが、アパート・マンション系のパーソナルジムの場合は、内装費は極力抑えた方が良いです。

お客様もそこまでの内装を求めていないので、清潔な部屋であったり、統一感のある部屋であれば問題ありません。

 

初期のパーソナルジムの開業において、内装費を抑える事は運営面においては重要となり、高額な内装費をかける様な工事は避けた方がいいです。

また内装費を抑えるコツとしては、居抜き物件を選択する事もお勧めだと考えられますが、注意点は先ほどお話した通りです。

スポーツクラブやパーソナルジムを運営していた場所なら、給排水設備や空調を利用できて、リーズナブルな補修費のみで済む可能性もあります。

 

器具・設備購入費

パーソナルジム開業にあたり、マシンやマット等への設備資金も重要となってきます。

マシンの価格は種類により異なりますが、一般的な家庭用マシンは一台あたり15〜50万円、業務用マシンでは50〜150万円ぐらいだと考えておきましょう。

 

パーソナルジムは大きな規模でなければ、家庭用のマシンでも補えますが、運営するトレーニングスタイルに合わせて検討しましょう。

更にできるだけマシンを安く購入したい場合は、中古での購入も検討すると良いかもしれません。

 

システム費

工事費や機材費と一緒に掛かるのがシステム費になります。

カード決済システムや予約管理システム、またお客様を集客するためのホームページ制作費などがここに当たります。

最近はホームページも自分で作成することもできますが、できればプロに依頼をして、しっかりと集客導線を確保することをお勧めします。

ホームページ制作費もピンキリで、20万円から50万円ほどを想定しておきましょう。

 

販促費

販促費とは、売上やユーザーを増やす為に支出する費用であり、これもまたジム開業には必要不可欠となってきます。

開業オープン時のポスティングなどの広告費が販促費に含まれます。

ただし、集客は最も大切なジム経営の要素なので、定期的に広告など打っていく必要があるため、ランニングコストに含めることもあります。

 

ランニングコスト(運転費用)

すでにお話をした通り、ジム開業を行うには上記で述べた初期費用と、ランニングコスト(運転資金・運転費用)が必要になります。

また、ランニングコストは大きく固定費と変動費の2種類に分けることが出来ます。

  • 固定費:家賃や人件費、通信費など
  • 変動費:広告など

上記仕分けに関しては、事業によって異なってくるので目安程度にしておいてください。

 

ちなみに、一般的なジムのランニングコスト費用が、規模にもよりますが毎月70~80万円程と言われており、内訳としては人件費 (従業員一人につき約20万円~) ・家賃 (物件により価格は異なる) ・広告費等です。

ランニングコストは開業時に6ヶ月分以上を用意できている事が理想です。

4ヶ月分のランニングコストは280万円(70万円×6ヶ月分)であり、これに初期費用300~400万円を合わせて、ジム開業に750万程が掛かります。

 

ただし、1人で始めるパーソナルジムの場合、ランニングコストは大きく削減することが出来ます。

それぞれ解説をしていきます。

人件費

ランニングコストにあたる人件費ですが、例えば一般的なジムの場合、フルタイム四人雇用する場合は毎月約100万円以上かかります。

もちろん、ジム経営において顧客の継続率を左右する大きな要因が人材になるので、優秀な人材を確保するためにも、人件費は多く用意しておく必要があります。

つまり、この金額が最低金額ということです。

 

一方で、1人経営パーソナルジムの場合、人件費は自分ひとりとなるので、大幅に人件費を削減することが出来ます。

ただし、自分が働くからといって人件費を計上しないのは、どんぶり勘定になりやすいので、必ず自分の人件費も計上するようにしてください。

20万円~30万円ぐらいが妥当です。

ですので売上が安定する半年分ぐらいは確保しておくことをお勧めします。

20万円×6ヶ月=120万円

 

家賃

開業時に発生する物件取得費(家賃6ヶ月分)や内装工事費などに関してはイニシャルコストの部分ですでにお話をしました。

ここでいう家賃とは毎月の家賃になります。

パーソナルジムにおいて家賃は支払いのかなりの部分を占めますので、なるべく安い物件を取得・交渉して値下げなどをしていきましょう。

 

また、コロナショックなど何が起こるかわからない時代ですので、半年分の家賃は確保しておくようにしましょう。

 

広告費

ジム経営をされたことがない方にとって、広告費なんて必要ないと思われている方も多いですが、それこそが失敗の原因です。

一般的なビジネスとことなり、2年・3年と続いているパーソナルジムが強いのは、毎月課金をしてくれているお客様がいるためです。

そのため、そうしたお客様を集客するための広告費は本当に大切なので、ご注意ください。

 

ライザップが高額のTVCMをバシバシと打ち出していたのも、売上に直結するからです。

 

広告費には、ポスティングや折り込みチラシ制作費、交通広告、更にはネット広告の制作等があり、費用は数千円~数十万単位と規模によって異なります。

その中でも、若い方にはSNS、年配の方には折込みチラシ等と、世代により臨機応変で行っていく事も求められます。

 

費用削減に広告費を抑える事も必要と思えますが、お客様を増やすにはニーズに合った広告打ちだしていきましょう。

 

その他(雑費)

パーソナルジム開業に必要な経費を解説してきましたが、そのほかにも細かな費用がかかってきます。

それらを全て雑費として計上していきます。主に単発の支払いなどになります。

ですので、毎月定期的な支払いなどがある場合は、その都度項目を増やしていきましょう。

 

まとめ

ここまでお読み頂きありがとうございました。

アパートやマンションなどの一室で開業するマイクロパーソナルジムであれば、500万円ほどで開業できることがおわかりいただけたかと思います。

もちろん、自宅であったり、安い物件などで開業をすれば、もっとコストを削減することが可能です。

経営はどこで何が起こるかわからないので、余裕資金を準備し、またしっかりとエクセルなどでまとめて開業準備を行いましょう。

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